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心と体の痛みのお部屋 管理人エリーの日記です。


by elly_mylove
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土ボタル。

このたびゴールドコーストでは、乗馬だけではなくて、土ボタルを見に行くツアーにも参加してみました。
あの天空の城、ラピュタに出てきた飛行石のモデルにもなったという、洞窟に住む小さな昆虫です。
オーストラリアとニュージーランドの一部にしかいない、とても貴重な世界遺産なのでした。



土ボタルは、シドニーの近郊のブルーマウンテンでもみられるけれど、一番有名なのが、ゴールドコーストから車で一時間くらい。
大きな国立公園の中にある、ナチュラルブリッジと呼ばれる洞窟の中で見られます。
ナチュラルブリッジというのは、昼間にみると、小さなカマクラのような形の洞窟の上のほうが、自然にできた橋のようになっているところからつけられた名前です。
ちょっと説明が難しいのだけれども、この世界遺産の土ボタルが生息する小さな小さな洞窟は、
川の浸食作用によってできたものだそうで、洞窟の突き当たりには白糸の滝のような静かでサラサラと水が流れる小さな滝があります。
土ボタル。_b0014416_2042877.jpgこの洞窟にいたる道は、ユーカリがうっそうと茂る原生林で、ツアーに訪れるお客さんの人数も、オーストラリア政府によって厳しく制限されている、秘境ともいえるところなのでした。

真っ暗な闇の中、ガイドさんに、危険だから必ず二人一組で手をつなぐことを指示されて、それから直径1,5センチほどの懐中電灯を渡されたわたしたちは、息を潜めるようにして原生林のなかに作られた狭い石段を降りていきました。
途中あちこちで、オーストラリアならではの夜行性の動物にあいました。
ポッサムとよばれる、木の上にすむ小さな有袋類です。土ボタル。_b0014416_2053330.jpgそうして、この有袋類が住む原生林も、オーストラリアにしかない沢山の珍しい植物で彩られていて、本当に息をのむような手付かずの自然がそこにはありました。

さて、いよいよ洞窟の中に降りていきました。
土ボタルは、自分の体に天然の発光体をもっている昆虫です。その光に寄せ集められた小さな蚊を捕食して生きているのだそうで、ライトにあたると死んでしまいます。
なので、洞窟の真ん中まで来たときに、ガイドさんは、自分が持っていた懐中電灯を下に向け、全員のライトを消すように指示して、そうして・・。
1,2,3でライトを消すから、一斉に上を向くんだよ。それまでは、絶対に上を一人出向いちゃいけないよ。と厳しく言い渡してから、ライトを消しました。

見上げた洞窟の土壁は、まるで天の川のように、チカチカとはかなく、ほのかな光に満ち溢れていました。

この土ボタルについては、ライトをつけることが禁止されているので、写真がとても少ないのです。どんな風だったか、なかなか説明できません。
土に埋め込まれた小さなダイヤのようで、あえかに光っているところが、わずか数日の命を必死に生きている小さな生き物のはかなさ、美しさが感じられて、なんだか切なくなるような感激でした。
by elly_mylove | 2006-08-23 21:09 | シドニーライフ