心と体の痛みのお部屋 管理人エリーの日記です。


by elly_mylove
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ペインマネジメントセンター インタビュー2日目

さて、今日は昨日のインタビューの続きです。
今日は、このオーストラリアでも有名なこのプログラムが、どうしてそんなに患者さんに人気があるのか、その秘訣をちょっとだけ伺ってみました。


このプログラムは慢性痛患者にとってラストオプション、といわれているという話を
聞きましたが、ここにいたるまでの患者のたどる道のりを教えてください。平均何年
くらいをどういう風に過ごすのか。


ラストではないよ。患者にも、これがラストだと思わなくていい。ネバーラスト、改
善のチャンスはいつでもあると繰り返し言っているから。ただ、まあ現実的にはほと
んどの患者はラストだと思っているが。
GP,またはスペシャリストから来る。平均して、5年半の月日を、地元のGPやス
ペシャリストで痛みがとれないまま過ごし、その間に様々な代替療法などを受けて、
そうしてこちらにたどりつく。

5年半!長いですね。ここにくるのは主に患者の意思ですか?それとも、診療してい
た医療機関の強い推薦によるものですか?

紹介状は必ずいるが、患者の意思は尊重される。

この病院では、これこれしかじか、この条件を満たさなければこちらでは受け入れな
い、といった規制は特に作っていないのですか?

それは一切ない。
5年半という期間はわれわれは長すぎると思っている。
なるべくもっと早い時期に、楽にならない治療でいたずらに時を過ごさず積極的にこちらに寄越してほしい、とGPやスペシャリ
ストを教育しているところだ。早ければ早いほど治癒の可能性は高くなるし、本人の
痛みに失われる時間も、経済的損失も少なくてすむからだ。



5年半もの間痛みに縛られて、ノーマルな生活が送れなかった患者が、このプログラ
ムが終わるといきなり社会復帰していく、という事実は同じ患者として信じられない
思いがします。
私の場合はやはり長くかかりましたから。何が決め手になって、たった3週間でそん
なにも改善されるのでしょう?一番のポイントはなんですか?


一番大切なのは、「起こりうる最悪のケースを具体的におしえてあげること」だ。
慢性痛の患者はいつも不安と恐怖に支配されている。
それがますます本人の肉体的、精神的なアクティビティを狭めている。
たとえば、ちょっと一日いつもより動いた日があったとして、
その次の日に、朝足がひどくしびれたとする。そうすると、患者自身は、この痺れは
なんだろう、
どこから来るんだろう、ひどくなったのではないか、このまま麻痺してしまうのでは
ないか、きっと昨日動きすぎたからだ、とおびえるんだね。その不安が一番困るんだ。

だから、そういう不安を取り除くために、まずその患者一人ひとりに対して、
起こりうる最悪のケースを教えるんだ。あなたの疾患はこれこれで、ここが悪いの
で、こういう症状が出ているけれど、この病気は最悪でも疲れたときに筋肉痛やしび
れが一時的に起きるだけで、急に麻痺したり、それ以上痛みが進行したりはしない。
一時的な痛みは、必ず克服できる、ととても具体的に、科学的に教える。
患者は、長年つきあってきた病気のことでも、いろいろな医者からばらばらな見解を
聞かされるし、最悪のケースでどうなるという説明を受けないから、案外目に見えな
いものに怯えている。

これ以上は悪くならない、という下限と、けれども魔法のように痛みは消えない、君
が自分の意思で自分の痛みをマネジメントするんだという上限を正確に教えてやる
と、ほとんどの患者は自分の痛みを受け入れて、うまく付き合えるようになるよ。


なるほど。3週間のプログラムでかなりの患者がドラッグを減らせると聞きましたが、どのくら
いの割合の患者が何パーセントくらいの薬を減らせるのですか?


ほぼ全員の患者が、ドラッグフリーになる。3週間で、ちびちびと減らすというよりは、かなり思い切ってやめてしまう。


全員が、今まで飲んでいた薬を一気にやめてしまうのですか?どうやって??
退薬症状はどうして乗り越えるんですか?
患者としての自分にはちょっと想像がつかないのですが・・・・。

もともとこのプログラムに参加する患者は、5年半の間に様々な薬を試してもよくならなかったという履歴を持つ患者なんだ。たとえばあなたのケースだと、抗鬱薬にたまたまよいレスポンスがあって痛みが止まった。ずっと薬を飲むのは不愉快かもしれないが、それで社会復帰できれば患者はこのプログラムにはまず来ない。慢性疼痛に決定的な治療は現段階ではないのだから、薬を飲みながらでも痛みがよくなって社会復帰できればそれで治癒したと解釈するべきだ。

ここにくるのは、ほとんどのケースで薬剤の効かない慢性疼痛患者だから。
もともと、薬が体に合わない人たちなんだ。

薬を試してもよくならなかった患者たちは、ただ不安感から何の化学的意味もなく薬を習慣で飲んでいるのにすぎない。そうして、多くの患者は主作用としての痛み止めの効き目は全然ないのに、副作用には苦しんでいることが多い。
だから、あなたが今飲んでいる薬にはなんの意味もない、と教育すると、みなあっさりやめていくよ。このタイプの患者さんは、退薬症状より、副作用が取れて健康になったことを発見することのほうが多くて、3週間で薬を止めた後は、もう薬を飲みたいとは言わなくなる。
実際にみんな、プログラムの最初は薬の副作用でレスアラートでドロージーな感じだが、
薬を止めたとたんに本来の生き生きした反応が戻ってくることが多い。
ドラッグフリーになることは、このプログラムの大きな収穫のひとつだね。ドラッグフリーになっても、痛みとつきあえるようになるんだよ。


痛みとつきあうというのは具体的にはどういう方法で主にアチーブできるんですか?


いろいろあるけれど、たとえばイメージングはとても大切なトレーニングの一部だ。
痛みのある自分の体から一歩はなれたところに意識をおく練習とか、
痛みのある部分を少し体から離したところにおく練習とか。
患者のうち何割かは、このイメージトレーニングが上手になると、
痛みがかなり楽になるといっている。

★私がはじめにパキシルを飲み始めたとき、副作用で離人感を味わって、確かにそれから
痛みが楽になりました。その状態をイメージトレーニングで作るのだな、と自分なりに理解しました。

それから、瞑想のトレーニング。一日に効果的に何度か瞑想することで、かなり痛みが楽になる。これも重要なトレーニングのひとつ。

エクササイズももちろん重要な役割を果たす。患者が普段も出来るように、マネージのテキストにはストレッチの図解が載っているだろう。
今まで痛みに支配されていた患者に、痛みは自分である程度コントロールできるものだということを教えるのは重要なことだ。

たとえば、神経にシビアなダメージを負った患者がいる。インプラントを埋め込んで脊椎を通る神経に痛みを緩和する信号を送ったとしても、せいぜい50パーセントしかその患者の痛みをとめることは出来ない。残りの50パーセントをどうするかが、私たちがいつも考えていることだ。
単に一時痛みを軽くするだけなら、ここ以外でも出来る。


ほとんどの患者さんはこのプログラムに満足して帰るのですか?
途中で落ちこぼれが出ることはありませんか?

たまにいるよ。厳しすぎてついていけないとか、まあいろいろな理由で途中で止める患者も。
でも、ほとんどのケースでは患者は非常に満足して帰っていく。
その後の日常生活でQOLがとてもよくなることのほうが多い。


このプログラムが終わってから、アフターケアはどうされていますか?

フォローアップのシステムがあるよ。
パンフレットに載っているからそれは読んでくれればわかる。
申し訳ないが、ちょうど時間が来たので、あとはディレクターに聞いてください。
日本にペインマネジメントセンターが出来るようにがんばってね。

★アフターケアは、パンフレットによると、一月後、半年後、1年後にあります。
それ以上のケアが必要な患者さんは、このセンターでも、それからローカルのGPのところに戻ってでもそれなりのケアを受けることが出来ます。

イメージトレーニングや、瞑想などを取り入れているところが、代替療法が盛んでヨガなどが大好きなオーストラリアらしいと思いました。
日本にも少しずつこういう試みが出来つつある、ということを聞きましたが、人口に比べるとずいぶん少ないような気がします。
こんな施設が日本にもたくさん出来るようになって、体や心の痛みのある方が少しでも楽になるといいな、と思います。
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by elly_mylove | 2004-12-10 15:20 | メインサイトについて