心と体の痛みのお部屋 管理人エリーの日記です。


by elly_mylove
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痛み患者の不思議な心理

久しぶりに、痛みについて書いてみようかな。と思います。





慢性痛の治療で全国区で有名な加茂先生。腰痛はトリガーポイントブロックで治る!という本を書いてから、特に若い人よりもお年寄りの方からのリアクションがとてもいいのだそうです。
脊柱管狭窄。といわれ、手術を勧められていた患者さんたちが、本を読んで沢山小松の病院で受診され、そして治っています。喜ばしい事ですが、なぜ一般に頭が固いといわれるお年よりが新しい理論をむしろすんなりと受け入れて、手術を受ける事を拒否して、治っていくのでしょうね。。。
私はこの事には、痛み患者の不思議な心理が関係しているような気がしているような気がします。


ずっと以前、私が慢性痛のHPを立ち上げたばかりのころのことですが、
ヘルニアで有名な巨大掲示板のある患者さんの症状について、こう書き込んだ事があります。
「それは、椎間板ヘルニアではなくて慢性疼痛では?筋肉の症状だと思います。手術するより、きっと抗うつ薬を飲んだりてんかんのお薬を飲んだりするほうがいいと思いますよ・・」
私のこの書き込みがきっかけで、
しばらくのディベートの後、
結論から言うと、その掲示板は大荒れに荒れて、数日間閉鎖の憂き目になってしまい、私は以後その掲示板からはお出入り禁止になってしまいました。
サイトを作ったばかりだったのでショックだったのですが、私に、ネットの巨大掲示板に書き込むという事の難しさを教えてくれた出来事です。


椎間板ヘルニアではとても有名なその掲示板は昔から、手術体験者の書き込みがありがたがられる傾向がありました。


手術じゃなくても、たとえばミエロとかディスコとか侵襲が大きな検査や治療の体験談ほどありがたがられるのですね。
みんな、次に何が起こるのか不安で仕方がないから、最高に痛い治療を乗り越えた人の体験談が聞きたいんです。

インドのカースト制度じゃないけど、固定術体験者はバラモン、レーザー体験者はクシャトリア、硬膜外ブロックはバイシャ、その他の普通のリハビリ保存療法だとスードラ。という感じで、書き込みのありがたがられ度に上がっていって、VIP待遇になっていくんです。


どんな病気でも、軽い治療で治りますよ。という情報を読むとうれしいはずなのに、痛みに限っては、あなたの痛みはひどいから、○○じゃないと治りませんっていわれないと物足りない。

手術などせずに、抗うつ薬だの、認知行動療法だの、運動療法だので治った人の話なんか聞きたくない。
この心理ってとても不思議な、痛み患者独特のものですよね。
私は自分が痛みの真っ只中にいたころ、まさにこういう気持ちだったから、よくわかるのです。

思うに、痛みは目に見えない病気だから・・・。詐病扱いされて誰にもわかってもらえない事にみんな心理的に疲れているので、手術のひとつも受けなくてはいいわけができないというか、より大きな治療を受けない事には顔が立たないというか。そんな心理に追い詰められてしまっているのだと思います。
こんなにひどい痛みなのに、注射一本で治るなんて、そんなことがあっては困るんですね。
もっと大きな、できるだけ大げさな治療でなくては, 自分が抱えているこの苦しみと、釣り合いが取れないのです。


ヘルニアの若い人たちより、お年寄りのほうが、注射や薬で治るという加茂理論を受け入れやすいのは、きっとお年寄りはそういう人の思惑を気にする心理から自由だからだと思います。
仕事の休業のために診断書がいるわけじゃなし、病名や人の思惑なんてどうでもよくて、自分の体さえ楽ならそれでいい。いろいろな複雑な心理を手放した心境に、到達しやすいからだろうな・・・と思ったりしています。

若い人のほうが、より未来が長いのに。ちょっと悲しいですね。

固定術を繰り返したり、百万円以上もかけてレーザー手術をしたりしている人たちには、できれば心にも体にも優しい治療で治りうることを、本来なら是非知ってほしい。

若くてもお年寄りでも・・・
痛みとその周囲の事情から来るこだわりからは、解放されてほしい。

かつてとても苦しんでいた患者のひとりとして、心からそう思っています。
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by elly_mylove | 2009-03-13 23:59 | 痛みについて