心と体の痛みのお部屋 管理人エリーの日記です。


by elly_mylove
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

心のゆとりを考える。日本の部活動に思うこと・・・。

このコラムを、私は、書こうかどうしようか何日も悩んだけれど、結局、書くことにしようと思う。書いてしまうにはあまりにも登場人物に残酷すぎて、身につまされるような気がしたのだけれど、でも、それでもあえて書くことにしたいとも思う。

この地域に住む駐在員夫人たちの間で、これは結構有名な話である。

何年か前、この近くのハイスクールに、高校ラグビーで有名な日本の高校生ラガーマンたちが海外遠征の試合にきたことがある。彼らは日本のラグビーの名門高校の生徒たちで、
毎年花園に出る名門ラグビー部の部員たちだった.

その高校では、ラグビー部の生徒たちは,ほとんどラグビーをするために
学校に行っているという。朝早くからまず朝練が始まる。
朝練が終わると,午前中の授業はずっと寝ている.
昼食を取った後、午後の授業も疲れのためにずっと仮眠をして
放課後にはもちろんラグビーをする.
練習はとても厳しいもので、生徒たちが自宅に帰るのは、毎日10時近くになるという.
もちろん、土日も練習。夏休みも練習.休みといえば、お盆とお正月の数日だけ.
そんな生活をずっと送ってきている子どもたちだった.

その生徒たちが、ニュージーランドから始まった遠征のプログラムの中で
この辺のごく普通の公立高校であるKハイスクールのラグビー部と練習試合をしたとき当然のように、日本人の駐在員たちは,日本のエリートラグビーチームが勝つものと信じて疑わなかった.


ところが結果は,地元の公立高校ラグビー部に大差をつけられて、彼らはあっさりと負けてしまったのだった。

あれよあれよと、点差が開いていく中で、監督は何をやっているんだと怒りまくり,
生徒たちは悲壮感を漂わせて萎縮して、そばにいた駐在員や、その家族たちは
胸が痛くなったそうだ。

こちらの公立高校にはもちろんラグビー部はあることはあるのだけれど、
そんなに厳しい練習をさせているところを見たことがないという。
週に2,3回だろうか。

この国はとてもスポーツが好きな国なので、子供達は小さな頃から
地元にあるスポーツクラブで、毎週土曜日にはスポーツをする。
サッカーだったり、クリケットだったり、テニスだったり、ハンドボールだったり。
ラグビーは危険なスポーツなので、少し体が出来上がってからじゃないとやらないけれど
とにかく子供のころからのびのびと運動をして育つ。
確かに、芝生のグラウンドはそこかしこにたくさんあって、環境には恵まれていると思う。

けれども、高校生としての勉強はもちろんやっているし、
学生時代にはほとんどの子どもが趣味として一つは、楽器をやっていることが多い。
サックスとか。クラリネットなどの管楽器が多いのだけれど、スクールバンドもとても盛んである、長めの休みには家族旅行に行く子供も多いし、
移民の多い国なので、本国に帰ることも多いから、部活動に縛られてどこにも行けないという学校生活はお国柄からいっても許されないことである。
ハイスクールの高学年ともなると、それぞれみんな、ガールフレンドもいて、
どんなスポーツクラブに入っていようと、それなりに豊かな楽しい青春を送っている。


毎日毎日ラグビーをして、そのために生きてる子供達は、
ある意味それが楽しくてそうやっているのだから、私がお節介をする必要ないのかもしれない。
でも、その試合を見て、この地域に住むたくさんの駐在員たちはそれ以来、
ゆとりって人間にとって、とても大切なんじゃないか、としみじみ考えるようになったそうだ。
たまにはテレビをみたり、音楽を聴いたり、もちろん勉強をしたり、友達とつきあったり。
そんな自由の中で伸びていくものもあるし、時間をかけなくても出来る練習は、
指導者がその気になれば可能なのではないかと・・・・・。


これは余談なのだけれど、そのラグビー部の生徒たちは、
地元のホームステイ先の家族から、必ずしも評判がよいとは言えなかったそうだ。
悪気はないのだけれど、あまりにも世慣れていなくて、
ホストファミリーが必死に話しかけても、固まってしまって挨拶もろくにできない。
英語も全然話せない。
食べた食器を下げもしない。とにかくラグビー以外は何もできない生徒たちだったのに
そのラグビーすらも、特別にエリートでもない地元の高校生たちにボロ負けしてしまったのだから。。。。


もう少しで帰国。娘は中学生になる。
自由だったこの国を出て、制約の多い日本社会に帰っていく。
学校では、部活動も始まると思う。
本当にこの子が長い目で見て、豊かな経験が出来る楽しい学生生活を送れるのだろうか。

何でもこの国が良いとは言えないけれど、一度外に出てしまった人間は
日本の中ではごく当たり前のことにも違和感を持ってしまう場合がある。
親子して逆カルチャーショックに打ちのめされないだろうか・・・・。

小さなことが心配でたまらない今日この頃の私なのだった。
[PR]
by elly_mylove | 2004-11-15 23:04 | 日々のつぶやき